無料ブログから卒業したくなった日。ムームードメインで始める“自分の住所”づくり

薄い雲が窓の前でゆっくり流れていて、部屋の明かりだけがやけにくっきり浮いて見える夜でした。
帰宅して、コンビニで買った温かいお茶をマグに移し替えたのに、気づいたら机の上で冷めていて、私はなぜかその冷め具合にちょっとだけ安心してしまう。きちんとした暮らしはできてないけど、今日も今日でちゃんと終わっていく、みたいな。
郵便受けから回収した封筒の束を、いつものようにソファの端に置きっぱなしにしていたのに、今日はなぜか開けてしまいました。
たぶん、明日に回すと、明日の私がもっと疲れると分かっていたから。白い封筒の中身は、住所変更の確認とか、契約更新のお知らせとか、あの「人生をちゃんと生きてますか?」って顔で届くやつ。ひとり暮らしをしていると、こういう紙が、自分の輪郭を作っていく感じがします。
そして、その中に混ざっていた一枚のハガキに、私はちょっとだけ心を持っていかれました。何の変哲もない広告のハガキで、「サイトを作りませんか」みたいな、よくあるやつ。
なのに、そこに書かれていた“自分のドメインでメールアドレスを持つ”という一文が、なぜか今日の私には刺さってしまって。会社のメール、無料のメール、SNSのアカウント、全部“借り物”みたいに感じてしまった夜でした。
ここから今日の話は、「ムームードメイン」を開いたところから動き出します。
自分の名前を“買う”のが怖かった夜

ムームードメインって、ドメインを取得できるサービスです。ドメインって、ざっくり言うと「ネット上の住所」みたいなもので、例えば「.com」や「.jp」みたいな末尾を選んで、自分だけの文字列を登録する。ムームードメインは、選べるドメイン(TLD)が620種類以上ある、と公式サイトに書いてありました。
…620種類って、冷静に考えて多すぎる。自販機のボタンでも迷う私が、620種類の中から決めきれるわけがない。
でも、ムームードメインのサイトは、いい意味で軽い。キャラクターもいるし、言葉がやさしいし、「初期費用0円」とか「簡単サイト作成」みたいに、“まず触ってみて”の距離感が近い。
この「まず触ってみて」が、今日の私には必要でした。ちゃんと決めてから動く、じゃなくて、触ったら少しだけ分かる、みたいな。
私が開いたのは、ドメイン検索の画面。試しに、自分のブログ名っぽい単語を入れてみたら、だいたい既に埋まっていて、心がじわっと冷える。「この世には私より先に、同じことを考えた人がいる」っていう当たり前に、しょんぼりする。
その瞬間、誰にも言わなかった本音が、ぬるっと浮かびました。
――私、こういうとき、勝手に“席がない”って思っちゃうんだ。
ネットの世界は無限に広いのに、たったひとつの文字列が取れないだけで、私の居場所がなくなったみたいに感じてしまう。バカみたい。分かってる。でも、こういう小さな感情が、仕事とか人間関係とか将来の不安とくっついて、じわじわ増幅する。
「わかる…」って言ってくれる人、きっといると思う。自分の価値とは関係ないのに、空いてないだけで心が折れるとき、ある。
①“借り物”の場所に住み続けてきた違和感
私はブログもSNSもやっているのに、ドメインって「必要になったら取るもの」くらいに思っていました。だって、無料ブログでも書けるし、SNSでも発信できるし、別に困ってない。
なのに今日は、郵便物の束を見たせいか、「私はどこに住んでるんだろう」と変な方向に考えが飛んでしまったんです。
会社のアドレスは会社のもの。退職したら終わる。
無料のメールは便利だけど、規約も仕様もいつ変わるか分からない。
SNSは、プラットフォームの気分で表示が変わるし、最悪、アカウントが凍結したら終わる。
全部、私の発信なのに、家賃を払ってる感じがしない。…というか、住民票がない。
そんなことを、夜のテンションで思ってしまって、気づけばムームードメインで「空き」を探していました。
ムームードメインには、ドメイン取得だけじゃなくて、取得したドメインでサイトを作ったり、メールを使ったりできる流れも用意されていて、ムームーサーバーというレンタルサーバーと一緒に契約すると、対象ドメインが“ずっと無料”になる仕組みもあるらしいです(条件を満たして継続すれば更新も無料)。
「ずっと無料」って言葉に、人は弱い。私も弱い。けど同時に、そういう“続けられるかどうか”が自信ない人ほど、いったん見ておきたくなるやつでもある。
②空いてないドメインに、ひっそり嫉妬した
今日の小さな出来事は、本当にしょうもない。
候補のドメインをいくつかメモして、検索して、空いてないと分かって、ため息をついた。ただそれだけ。
でも、そのとき私の中に生まれた感情が、いつもとちょっと違ったんです。
焦りとか、前向きとか、自己肯定感とか、そういう“よくある結論”に着地しないやつ。私が感じたのは、すごく静かな嫉妬でした。
「そのドメイン、誰が使ってるの?」
「私より先に、名乗った人がいるんだ」
「名乗る勇気、私にはなかったのに」
検索結果に出てくる「このドメインは取得できません」の表示が、なぜか“先に名札をつけた人”を見せつけてくるみたいで。
そして同時に、私の中にもうひとつ本音が湧きました。
――私、名乗るのが怖かっただけだ。
本当は、ブログを続けている時点で、名乗ってる。発信してる。なのに、ドメインを取るってなると急に、「ちゃんとしなきゃ」「失敗できない」「続かなかったら恥ずかしい」って思ってしまう。
誰も見てないのに、勝手に“永住権”みたいな重さを感じて、ひるむ。
ムームードメインの価格一覧ページを見たら、オプションとして「ドメインロック(1年あたり1,320円)」とか、「ムームーメール(1年あたり2,350円)」とか、「WPホスティング(1年あたり7,920円)」が載っていました。
こういう“選べる要素”があるのは安心でもあるけど、私みたいに迷い癖がある人には、逆に「選ぶ責任」を突きつけられる気もする。
今日の私は、その責任が、ちょっと怖かった。
③決めきれない私は、“仮の名前”を持ってみることにした

ここで、後半の小さな気づき。
いつもの私なら、候補が取れない時点で、すぐにブラウザを閉じて「やっぱり今じゃない」と逃げます。
でも今日は、逃げきらなかった。理由はたぶん、郵便物のせい。住所の紙が、「逃げても明日が来るよ」って言ってきたから。
ムームードメインを眺めながら、私は“仮の名前”を作ることにしました。
完璧なブランド名じゃなくて、今の私が言いやすい言葉。
将来、方向転換しても笑えるくらいの軽さがある言葉。
検索して空いている文字列を見つけたら、それだけで心が少しほどけました。
ここで私が気づいた違和感は、「名前を決めること=人生を決めること」みたいに、勝手に重ねていた自分の癖です。
ドメインって、たしかに“名乗り”だけど、別に一生同じにしなくてもいい。ブログの方向性だって、生活だって、変わる。変わっていい。
それを分かっているのに、なぜか“変更できないもの”として扱っていた。あの重さは、ドメインの重さじゃなくて、私の頭の中の重さだったんだと思います。
ムームーサーバーと同時契約で対象ドメインが無料になる、という仕組みも、「続けられるか不安」な私には、逆に“続ける理由”になりそうだなと思いました。
ただ、無料とか割引とかって、いつも魔法みたいに見えるけど、結局は「私は何を残したいの?」のほうが先なんですよね。今日の私はそこを、やっと順番通りに考えられた気がしました。
それからもうひとつ、私が今日「へえ」と思ったのが、WHOIS(フーイズ)という登録情報の公開の話です。ドメインの登録情報って、第三者が見られる状態で公開されることが前提で、そこに名前や住所、電話番号が含まれることもある、とヘルプに書いてありました。
ひとり暮らしの身としては、住所や電話番号がネットのどこかに出ていく想像だけで、背中が少し冷たくなる。ムームードメインには、その公開情報を「弊社情報を代理公開」する形でプライバシーを守る仕組みが用意されているらしく、こういう“地味だけど現実的な安心”が、今日の私にはけっこう大きかったです。
ちなみに、私が途中で迷子になりかけたとき、サイト内に「AIチャットは24時間」と書いてあるのを見つけて、ちょっとだけ救われました。夜って、人に聞くハードルが上がるじゃないですか。ひとりで“分からない”に耐える時間が長いと、分からないこと自体より、「分からない私」が嫌になってくる。ムームードメインのサポートはAIチャットが24時間、オペレーターのチャットは平日時間帯、メールも窓口として案内されていました。
「聞ける場所がある」って、それだけで動ける夜もあります。
私は結局、候補のドメインを付箋に書いて、机の端に貼りました。取るかどうかはまだ決めてない。だけど、名前を“机の上”に置いておくだけで、今日の私は少しだけ落ち着いた。誰にも言わなかった本音の正体はたぶん、ドメインが欲しかったんじゃなくて、「私はここにいる」って自分で言える場所が欲しかったんだと思います。
締めは、結論というより、余韻で終わらせたい。
ドメインを取ることは、すごく小さな行動です。だけど私にとっては、「借り物の場所に住み続ける」ことから、ほんの少しだけ足を外に出す行動でもありました。
名前を決めるのが怖い夜って、たぶんみんなある。怖いのは、失敗じゃなくて、“続かなかった自分”を見たくないから。そう思うと、私の弱さはけっこう普通で、ちょっとだけ安心します。
あなたは最近、何かを始めたいのに、名前が決められなくて止まってしまったこと、ありませんか。
その“止まり方”に、今日の私みたいな静かな本音が隠れていたりするのかもしれません。





